外国人住民の住民税納税率と生活保護支給前調査の実態
全国一斉調査キャンペーンまとめ

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■調査期間(一斉投書を行った期間):平成23年5月19日(木)〜6月20日(月)
■調査の目的:
・外国人住民の住民税納付率が低いという情報から、全国の自治体での実情調査を行う。
・あわせて外国人住民を対象として生活保護の支給前調査の実態について確認を行う。

■調査内容:
参加者を募り、以下の文章を居住自治体に投書して返信を受け取ってもらった。
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(1) 外国人住民の住民税納付率について
静岡県浜松市のホームページに、外国人の市税の納付率が平成20年で全市民平均の90.79%を大きく下回り46.7%だったということが掲載されていました。
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/lifeindex/life/zei/zei_sugata/21honpen/4_7.htm
浜松市に問い合わせたところ、平成21年では43.8%と下がり、全体の滞納分の25%を占めるということも分りました。これは浜松市だけの状況でしょうか。○○市(区)における外国人の住民税納付率を教えてください。なお、浜松市では外国人の未納対策として特別のグループを作り各種取り組みを行っているそうですが、○○市(区)でも対策をしているようであれば教えてください。
(2) 外国人住民に対する生活保護支給調査について
生活保護を支給する前に行うこととなっている扶養義務者の現況確認について質問です。日本人の場合、戸籍による確認や扶養義務者の収入確認が法律により行われていることと思います。外国人住民の場合にはどのように確認を行っていますか?母国の政府や親族に問い合わせをしているのでしょうか?また、国籍によって扶養義務者の現況確認の仕方は違いますか?生活保護受給者が中国人、韓国人、ブラジル人、日本人の場合それぞれの確認方法を具体的に教えてください。日本人より外国人の方が生活保護を受けやすいという話を聞きますので実情を知りたく思います。
(1)、(2)につきまして、メールでの回答をお願いいたします。

■調査の経過:
130名を超える参加者により自治体への一斉投書を行った。返信の結果、(1)外国人住民の納税率を算出している自治体がほどんどない (2)生活保護の支給前調査についてははっきりとした回答が得られない ことが分かり、追加調査を実施した。追加調査では、返信のあった自治体に対して以下の文面で問い合わせしてもらった。
≪納税率について≫
外国人の税金の納付について疑問があります。市民税の賦課期日はその年の1月1日とされていますが、その通知及び納期は6月とされています。
(1)1月1日の当市に住所があった外国人が6月の通知前に再入国の許可を得ずに出国した場合の市民税の課税はどのようになりますか?
(2)そのような外国人に課税する場合その通知及び納付はどのようにおこなっていますか?
(3)そのような外国人の身元保証人に本人の連絡先の調査など納税の協力依頼はしていますか?
(4)大使館や現地政府への問い合わせは行っていますか?
(5)外国人が帰国したためどうしても連絡がつかないなど納税が困難で未納になっている場合、納税率に反映させておりますか、それとも納税率からは削除していますか?
≪生活保護について≫
生活保護を受ける方が保有する資産調査も行うと思いますが、外国人が母国で保有する銀行の預金や証券や不動産の調査は行っていますか?行っている場合どのような方法でどのような法律または条約を根拠に行っているかご回答お願いいたします。

■調査結果(平成24年3月現在)
一次調査、追加調査ともに回答が揃った自治体は48である。
≪市民税≫
・外国人住民の納税率を算出している自治体は、6自治体のみ
・外国人の納税率も全体の納税率に反映されていることがわかる。
・帰国した外国人にも1月1日現在で外国人登録があれば市民税を課税をするが、納税については事前に外国人が納税管理人を設定していない場合は不可能に近いことがわかる。
・地方税法第15条の7により、帰国した外国人の滞納分の市税は3年後消滅すると丁寧に回答した自治体もあり(神奈川県横須賀市)、帰国後3年くらいで市税の納税義務は消滅することがわかる。

≪生活保護≫
・外国人の母国への調査は実務的にも法的にも不可能のため本人の聞き取りを裏付ける方法がない、つまり本人の聞き取り調査のみで支給している実態がわかる。

■調査結果を受けて
・地方税法も生活保護法も日本人と同じ法律を外国人にも適用することにより問題が起こっている。両法ともに外国人用の条項を設けるべきである。

地方税法
(滞納処分の停止の要件等)
第十五条の七  地方団体の長は、滞納者につき次の各号の一に該当する事実があると認めるときは、滞納処分の執行を停止することができる。
一  滞納処分をすることができる財産がないとき。
二  滞納処分をすることによってその生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき。
三  その所在及び滞納処分をすることができる財産がともに不明であるとき。
2  地方団体の長は、前項の規定により滞納処分の執行を停止したときは、その旨を滞納者に通知しなければならない。
3  地方団体の長は、第一項第二号の規定により滞納処分の執行を停止した場合において、その停止に係る地方団体の徴収金について差し押えた財産があるときは、その差押を解除しなければならない。
4  第一項の規定により滞納処分の執行を停止した地方団体の徴収金を納付し、又は納入する義務は、その執行の停止が三年間継続したときは、消滅する。
5  第一項第一号の規定により滞納処分の執行を停止した場合において、その地方団体の徴収金が限定承認に係るものであるときその他その地方団体の徴収金を徴収することができないことが明らかであるときは、地方団体の長は、前項の規定にかかわらず、その地方団体の徴収金を納付し、又は納入する義務を直ちに消滅させることができる。

以上

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